税務

資金繰り表は何のため?知っておきたい資金繰り表の正しい見方や作成方法について

こんにちは。マクシブ総合会計事務所です。

マクシブ総合会計事務所

 

経理代行業者を選ぶポイントと導入時のコミュニケーションの取り方について経理代行を依頼する際にどのようにコミュニケーションをとるかが重要となります。本日は経理代行業者の選定方法とコミュニケーションの取り方をお伝えします。...

 

今回の記事では「資金繰り表」について解説します。
損益計算書上で利益が出ていたとしても手元に利益と同額の資金が残っているとは限りません。会計上の利益が出ていても事業を行うための資金が足りなくなれば倒産する事もあり得えます。これを黒字倒産といいます。

倒産を防ぐ意味でも資金の増減を把握することは非常に重要になります。
一緒に確認していきましょう。

資金繰り表とは?


まず資金とは現金や普通預金・当座預金などの必要な時にすぐに利用できるものを指します。次に資金繰りとは入金と支出を管理して不足しないように調整することを言います。
そして資金繰り表とは「いついくらの入金があるのか」、「いついくらの支払があるのか」など資金収支をまとめた表になります。

P/Lやキャッシュ・フロー計算書との違い

日々の取引は仕訳帳に記載し、その仕訳帳から勘定科目ごとに総勘定元帳に取り纏め、最終的にはB/SやP/Lを作成します。
P/Lは基本的には1会計期間において現時点より過去の取引を集計しています。且つ発生主義で作成されている場合は、いまだ入金・支払をしていない掛取引を含めて作成されています。更にP/Lには資金の支出を伴わない減価償却費も含まれている点も資金繰り表とは異なります。

キャッシュ・フロー計算書は資金繰り表によく似ていますが、作成する時間軸が異なります。
資金繰り表は将来の資金を予測したものであるのに対し、キャッシュ・フロー計算書は(予想貸借対照表と予想損益計算書があれば、予想キャッシュフロー計算書も作成できます。)が、基本的には過去の資金の動きを示すものです。

 

決算書の見方は簡単?!理解しておきたいキャッシュ・フロー計算書の見方とポイント。キャッシュフロー計算書の見方のポイントや、キャッシュフロー計算書の作成方法について解説しています。キャッシュフロー計算書の8つの型についても言及しています。...

将来の資金繰り表を作成するメリット


それでは実際に資金繰り表を作成するメリットについて触れていきたいと思います。

1. 「どんぶり勘定」から脱却し黒字倒産を防ぐ

黒字倒産とは会計上は利益が出ていても支払に必要な資金が不足し倒産してしまう事です。
中小企業であれば「社長が全ての数字を頭の中だけでざっくりと把握している」なんてことも多いのではないでしょうか。

しかし資金繰り表を作成してみると頭の中で考えていた数字とズレていることは良くあります。このズレが悪い方にズレていた場合は資金ショートを引き起こし最悪の場合、黒字倒産に陥る可能性もあります。

資金繰り表を作成することで資金を適切に管理することができるため黒字倒産の防止にもつながります。

2.金融機関から融資を受けやすくなる

金融機関から融資を受けるためには、なぜこの時期にこの金額の融資が必要なのか合理的に説明する必要があります。資金繰り表を作成しておけば金融機関に対して合理的・客観的に説明する材料となるでしょう。

資金繰り表の作成方法

資金繰り表の作成に関して決まった書式はありません。
「期首資金残高+入金-支出=期末資金残高」という計算式になっていればExcelで作成することも可能ですし、専用のソフトを導入し手間を省く事も可能です。

Excelのテンプレートは信用金庫や日本政策金融公庫、会計ソフトベンダーの企業サイトから誰でもダウンロードすることが可能です。
作成手順の参考として日本政策金融公庫が公開しているのでご確認ください。

参照:日本政策金融公庫HP

資金繰り表の見方

それでは、資金繰り表はどのように見るものなのか、どこの数字に着目するべきなのか、実際の活用方法をご紹介します。

1.経常収支はプラスになっているか

経常収支とは、会社の本業で稼いだお金になります。

単月でマイナスになったとしても四半期、半年、一年などの累計でプラスになっていなければ、何のために仕事をしているか分からなくなってしまいます。
仮に経常収支がマイナスの場合は、仕事をすればするほどお金がなくなっていくという状況ですので、早急に原因を突き止め、打開策を講じなければなりません。

2.経常外収支の記載内容に問題ないか

経常外収支の欄には、設備投資などが該当します。

企業が成長するために投資を行う=資金支出=経常外収支がマイナスになることは問題ありません。投資の目的は経常収支を増やすためです。せっかく投資したのですから経常収支が増加しているかチェックしていきましょう。

3.財務収支>(経常収支+経常外収支)になっていないか

財務収支は、主に金融機関からの借入によるものです。

借入を行った月はプラスに、返済だけをしている月はマイナスになります。
返済原資(経常収支 + 経常外収支)と財務収支のバランスを確認することも大切です。財務収支がマイナスの上に、返済原資もそのマイナス分を下回っていれば手元資金から返済していることになります。

4.翌月繰越残高がプラスになっているか

基本的な事ですが翌月繰越残高がマイナスになっている=資金ショートの状態です。
資金ショートとならないような資金繰り計画を作成する必要があります。

では翌月繰越残高(手元資金)としてはどれくらい確保すれば良いのでしょうか。
目安としては、固定費3か月分を用意できると良いでしょう。
その根拠としては売上がなくとも会社を経営してく上では固定費(人件費や家賃など)の支払は毎月発生する為、売上が無い期間もその支払いに備えられるという点があります。

さらには金融機関からの融資実行までに遅ければ3か月程度の時間を要することもあるため、その期間中を耐えられるようにするためです。

資金繰り表を活用して、会社を倒産から守ろう!


資金繰り表について見てきましたが、いかがでしたか?

資金繰り表の目的は資金ショートを防ぎ、会社を倒産させない事です。
まだ資金繰り表を作成されていない方は是非作成してみてください。

マクシブ総合会計事務所では、日ごろの会計処理から税務の相談、今回お話した資金繰り表の作成などもワンストップで代行させていただいております。

毎月の記帳業務が煩わしい、税務のことはよく分からない、決算時の処理が分からない…そのようなお悩みは「経理代行サービス」の導入で解消してしまいましょう!

経理業務においてお悩みのお客様は、初回の無料面談をご予約いただければと思います!

マクシブ総合会計事務所

📞03-6450-1117
経理外注・記帳代行センターHP
マクシブ総合会計事務所HP

補助金や資金繰り支援に関する最新情報をお届けしています。

ご登録はコチラ → ◇FASクラブ メルマガ◇

税理士:金子 太妥志
税理士:金子 太妥志
【監修】税理士:金子 太妥志
東京税理士会(登録番号:112259)

監査法人トーマツに入社し会計監査及び株式公開支援業務に従事。その後、野村證券株式会社において資金調達やM&Aに関する財務戦略の提案業務を手掛け、また、ベアー・スターンズ証券東京支店では不動産融資及び証券化業務に携わる。

2008年に独立し、マクシブ総合会計事務所及びマクシブ・アドバイザーズ株式会社を立ち上げ代表に就任。

ABOUT ME
マクシブ総合会計事務所
都内の会計事務所~マクシブ総合会計事務所~が運営するブログです。 中小企業向けの経理や税務のお助け情報や、豆知識をご紹介しています。 是非ご参考になさってください!

会計事務所直伝の経理・税務に役立つ情報をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む