こんにちは、マクシブ総合会計事務所です。


皆さんは「決算書」の見方を正しく理解されていますか?
弊社では、多くのクライアント様のお手伝いをさせていただいている中で、「決算書の見方がいまいち分からないので教えてほしい」という声を多くいただいております。
決算分析は、企業の経営状況や財務の状態を把握する上でとても重要になりますので、決算書の見方を理解していないと会社の状況を理解できていないということになります。
今回は、「決算書の見方について」要点を抑えて分かりやすく解説していきます!
決算書とは?
決算書とは、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書などの財務諸表のことを指します。
これらは、企業の経営や財務の状況を数字でダイレクトに表しているものとなります。
経営者の方々は会社経営をしていく上で、決算書の見方を詳しく知っておく必要があります。
貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書のそれぞれの見るべきポイントを確認していきましょう。
貸借対照表(B/S)を見る際のポイント
貸借対照表を見る際に重要なポイントは、資産・負債・純資産のバランスです。
なぜなら、どこかに大きな偏りができている企業は、結果として企業としての利益を生み出すことができないからです。
例えば、利益を上げているように見えている企業でも、純資産の部の合計がマイナスになっている企業はどこかから借入をして何とか経営を継続しているにすぎないということが分かります。
逆に、負債の部の固定負債(借金)がある企業は、一見借金がある企業のように見えますが、お金を貸している金融機関から信頼を得て、融資を受けているという見方もできるのです。
会社の経営が安定しているか簡単に確認する方法としては、「自己資本比率」がどのくらいあるかを見ていけばいいかと思います。
「自己資本比率」は、純資産がどのくらいあるかを示すものとなります。以下が計算式となります。
「自己資本比率」(%)=「純資産」÷「総資産(資産の合計)」×100
自己資本比率が高いほど経営は安定しており、倒産しにくい企業ということができるでしょう。
貸借対照表の見方についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご確認ください。

損益計算書(P/L)を見る際のポイント
損益計算書を見るうえで、「5つの利益」に着目することはとても重要なポイントと言えます。5つの利益とは、①売上総利益 ②営業利益 ③経常利益 ④税引前当期純利益 ⑤当期純利益です。
損益計算書を見る際に重要なのは、上記の「5つの利益」がプラスになっているかという点です。特に、③の「経常利益」がプラスであることはとても重要です。
最終的な当期純利益がプラスでも、経常利益がマイナスの会社は「特別利益(臨時的な利益)によって当期の利益がプラスなだけで、本業だけの営業では当期純利益もマイナスになる恐れがある」という見方もできますよね。
損益計算書を確認して、経常利益がマイナスの会社は、事業計画や資金繰りを見直す必要があります。
損益計算書の見方についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も確認してください。

キャッシュ・フロー計算書を見る際のポイント
キャッシュ・フロー計算書は主に、「営業活動」・「投資活動」・「財務活動」という3つの活動による、現金の増減に区別されています。
上記の3つのキャッシュ・フローの増減に当てはめると、様々なケースを確認することが出来ます。
どの企業も8つのパターンのいずれかに当てはまりますので、自社がどのパターンに当てはまるのか確認すれば今自社はどのような状況なのか理解できると思います。
① 安定型:営業CFプラス・投資CFプラス・財務CFプラス
本業で稼いでいるのに、資産売却をしたり資金調達をしている状態で、「将来の大規模投資のために資金集めをしている」という見方もされます。
② 改善型:営業CFプラス・投資CFプラス・財務CFマイナス
本業での収入と資産売却によって得た収入を、借入金の返済にあてている状態。
「企業改善を行っている」という見方をされることが多いです。
③ 積極型:営業CFプラス・投資CFマイナス・財務CFプラス
金融機関から借り入れを行い、積極的に設備投資をしている状態。
「積極的で、これから急成長の兆しがある企業」という見方をされるでしょう。
④ 健全型:営業CFプラス・投資CFマイナス・財務CFマイナス
本業での収入がしっかりとあり、それを設備投資や借入金の返済にあてている状態。「堅実的で優良な企業」という見方をされることが多いです。
⑤ 救済型:営業CFマイナス・投資CFプラス・財務CFプラス
本業での収入を支出が上回っており、資産の売却や資金調達によって穴埋めしている状態。借入ができなくなると苦境に陥る可能性があります。
⑥ リストラ型:営業CFマイナス・投資CFプラス・財務CFマイナス
本業で稼げていないため、資産の売却によって借入金を返済している状態。
売却できる資産があるうちに、本業を立て直す必要があるといえます。
⑦ 勝負型:営業CFマイナス・投資CFマイナス・財務CFプラス
本業で稼げていないため、資金調達をして設備投資をしている状態。
一見危険な状態と言えますが、ここから急成長する企業も少なくないです。
⑧ 大幅見直し型:営業CFマイナス・投資CFマイナス・財務CFマイナス
全ての活動において支出過多となっているため、とても危険な状態。
設備投資もして借入金の返済も行っているため、「これまでの資金の貯蓄を取り崩している」との見方をされます。
キャッシュ・フロー計算書は、「どこに現金を使い、どのように現金を増やしたか」が分かる書類です。そこから、3つの活動に分けて見ることによってより詳細に現金の増減の流れが分かると思います。
もっと詳しくキャッシュ・フロー計算書の見方を知りたい方は以下の記事もご覧ください。

決算分析のやり方を把握して、会社の現状を知ろう!
いかがでしたか?
決算書は会社の現状を数字で詳しく表しているものとなります。
決算書の見るべきポイントを覚えて今後の会社経営に役立てていきましょう。
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東京税理士会(登録番号:112259)
監査法人トーマツに入社し会計監査及び株式公開支援業務に従事。その後、野村證券株式会社において資金調達やM&Aに関する財務戦略の提案業務を手掛け、また、ベアー・スターンズ証券東京支店では不動産融資及び証券化業務に携わる。
2008年に独立し、マクシブ総合会計事務所及びマクシブ・アドバイザーズ株式会社を立ち上げ代表に就任。