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本日は、生命保険の一つである「定期保険」について、法人が自己を契約者とし役員又は使用人等を被保険者とする場合の経理処理について解説いたします。

定期保険とは、契約で定められた保険期間中に被保険者が死亡又は高度障害状態になった際に保険金を受け取れる保険です。
もし保険期間の途中で解約した際は、支払済みの保険料累計額に解約返戻率を乗じた金額を解約返戻金として受け取ることが出来ます。
経営者に万が一のことがあった際の備えや退職金の積み立てとして効果的な保険なので、経理処理についてチェックしておきましょう。

支払い保険料の損金算入について


支払い保険料は損金として計上して税金を少なく抑えたいところですが、定期保険の保険料は必ずしも支払額全額をその事業年度の損金に算入できるとは限りません。
原則として、定期保険の保険料は、保険金の受取人が契約者たる法人である場合、期間の経過に応じて損金の額に算入しますが、相当多額の前払部分に相当する保険料が含まれる場合、前払相当分を資産計上しなければならないとされています。

以下、保険金の受取人が契約者たる法人である場合について解説しますが、保険金の受取人が被保険者又は当該被保険者の遺族になっている場合はその役員または使用人に対する給与として処理します。

相当多額の前払部分に相当する保険料が含まれる場合とは保険期間が3年以上または最高時の解約返戻率が50%を超える保険をいいます。

ただし、最高時の解約返戻率が70%以下でかつ年換算保険料相当額が1人の被保険者につき30万円以下 (複数の定期保険に加入している場合でも被保険者が同じ場合は総額で判断します。) の場合は期間の経過に応じて、損金の額に算入することができます。

では相当多額の前払部分の保険料が含まれる場合の支払保険料の経理処理について解説します。
この場合の保険料の経理処理は最高時の解約返戻率によって決められています。

資産計上期間では、資産計上金額を前払保険料等で資産計上して、残額は支払保険料等で損金算入します。
資産取り崩し期間では、資産計上した金額を取り崩し期間の経過に応じて、均等に損金に算入します。

相当多額の前払部分に相当する保険料が含まれる定期保険の場合は、保険期間の開始当初は損金に算入できる金額が少なく、保険期間の経過に伴い損金に算入できる金額が増加します。

保険金の受取額が変動するタイプの定期保険の場合は、解約返戻率が運用状況により変動しますが、こういった場合は契約時の予定利率をもとに計算した解約返戻率が適用されます。

死亡保険金、解約返戻金受取時の経理処理

定期保険の保険期間中に、解約をして返戻金を受け取った際や、被保険者が死亡や高度障害になり保険金を受け取った際の経理処理について解説いたします。

保険金の受取人が被保険者又は当該被保険者の遺族になっている場合、法人側は特に経理処理をする必要はありません。
しかし法人が受取人となっている場合は経理処理が必要になります
解約返戻金や死亡保険金を受け取った際は、資産計上した前払保険料が無い場合は、全額益金に計上します。
計上した前払保険料がある場合は取り崩しを行い、差額を「雑収入」または「雑損失」として計上します。

(例)

借方  普通預金 300万円 / 貸方  前払保険料 200万円
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ雑収入   100万円

雑収入として計上した収入は法人税等の課税対象となるため、受け取った事業年度の税額が増える可能性があります。
そこで、税額が増えないように出口戦略として、受け取った解約返戻金を原資に役員や従業員に対して退職金を支払ったり、退職金の代わりに定期保険の名義を法人から役員や従業員に変更したりすることが考えられます。

(例)現金1,000万円+定期保険名義変更にて支給 (解約返戻金相当額1,000万円、前払保険料残高 600万円) の場合

借方  退職金 2,000万円  / 貸方 現金・預金  1,000万円
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ前払保険料   600万円
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ雑収入     400万円

なお役員退職金に関しては、在任期間や功績等を加味した上で妥当とされる金額を超えるとされた場合、損金算入が認められない可能性があるので注意が必要です。

定期保険を払済保険に変更した際の経理処理

払済保険とは、解約返戻金がある保険につき、途中で保険料の支払いを中止してその時点での解約返戻金をその後の保険料に充当し保障を受け続けるものになります。
保険料の支払いが難しくなってしまったが万が一のために保障は継続したいという場合に、払済保険に変更すれば保障額は減りますが保険料を支払わずに保障を継続することが出来ます。

定期保険から払い済み保険に変更した際は原則として、変更時における解約返戻金相当額と資産計上している前払保険料の差額を、変更した事業年度に益金または損金に算入します。この処理を洗い替え処理と言います。

(例)解約返戻金相当額 1,000万円 前払保険料残高 600万円

借方 保険積立金 1,000万円 / 借方 前払保険料 600万円
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ雑収入   400万円

なお、同種の保険種類の払い済み保険に変更した際は、洗い替え処理は行わなくても差し支えありませんが、定期保険から終身保険タイプの払い済み保険変更した場合等、保険種類が変更した場合は洗い替え処理が必要になります。

定期保険料の処理は工夫が必要!


いかがでしたか?
今回は法人契約の定期保険に関する経理処理についてご紹介しました。
定期保険は万が一の備えや退職金の積み立てとして利用されている方も多いかと思いますので、正しい処理を行うことが重要です。

 

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税理士:金子 太妥志
税理士:金子 太妥志
【監修】税理士:金子 太妥志
東京税理士会(登録番号:112259)

監査法人トーマツに入社し会計監査及び株式公開支援業務に従事。その後、野村證券株式会社において資金調達やM&Aに関する財務戦略の提案業務を手掛け、また、ベアー・スターンズ証券東京支店では不動産融資及び証券化業務に携わる。

2008年に独立し、マクシブ総合会計事務所及びマクシブ・アドバイザーズ株式会社を立ち上げ代表に就任。

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