【地震・豪雨】会社が災害で被災したら税金はどうなる?申告・納税・支援制度を解説
こんにちは。マクシブ総合会計事務所です。
この度の令和8年熊本地震ならびに、各地で相次いだ地震・豪雨により、被害を受けられた皆様に、心からお見舞い申し上げます。
被災された皆様の一日も早い復旧と、被災地域の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
今回は、地震や豪雨などの災害で会社が被災した場合の申告・納税期限の延長や相談窓口ついて解説します。
会社が被災したら決算申告はどうなる?
地震や豪雨、台風などの災害が発生すると、会社の建物や設備、商品などが被害を受けることがあります。
災害直後は、従業員の安否確認や事業所の復旧、取引先への連絡など、優先しなければならない対応が数多くあります。
一方で、災害が発生したからといって、法人税や消費税、源泉所得税などの税務手続きが自動的にすべてなくなるわけではありません。
「決算が近いけれど申告できる状態ではない」「どこに相談すればよいのか」など、経理担当者や経営者にはさまざまな疑問が生じます。
この記事では、災害で被災した会社の税務について、申告・納税期限の延長や利用できる相談窓口などを解説します。
災害による申告・納税期限の延長

災害によって会社が被害を受けた場合、最初に確認したい税務手続きが「申告・納税期限の延長」です。
災害によって会社や事業所が被害を受け、期限までに法人税や消費税などの申告・納付ができない場合、一定の要件を満たせば、国税の申告・納付等の期限を延長することができます。
この「期限の延長」には、大きく分けて次の3つの方法があります。
① 地域指定:対象地域に納税地があれば、自動的に期限が延長される
② 対象者指定※1:特定の納税者を対象に、一律で期限を延長
③ 個別指定※2:被災した会社が税務署に申請する
※1「対象者指定」は、災害などにより、国税庁が運用するシステムが使用できなくなったなど、特定の税目に関する申告・納付等ができない方が多数に及ぶ場合の制度です。
その為、災害による期限延長という観点で、実際に被災した企業が確認すべきなのは、主に「地域指定」と「個別指定」です。
※2「個別指定」を申請する場合は、「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を税務署に提出することになります。
まずは「自社はどのケース?」を確認
災害によって申告・納付が難しくなった場合は、まず次の順番で確認すると分かりやすいでしょう。
① 自分の納税地が「地域指定」の対象になっていないか?
対象地域に納税地があれば、自動的に期限が延長されます。
国税庁には「地域指定一覧」という1ページにまとまった一覧表があるわけではなく、災害ごとの国税庁告示として掲載される仕組みです。
国税庁の下記リンク「災害関連情報」の下部「個別の災害に関するお知らせ」等を確認しましょう。
② 「対象者指定」の対象になっていないか?
指定された範囲に該当する人は、特別な申請をしなくても期限が延長されます。
地域指定と同様に国税庁告示として掲載される仕組みです。
③ どちらにも該当しないが、災害によって申告・納付ができない場合は「個別指定」を申請する。
申請し、承認を受けることで、その理由のやんだ日から2か月以内の範囲でその期限が延長されます。
期限が経過した後の手続きも可能です。まずは状況が落ち着き次第、最寄りの税務署へ相談しましょう。
なお、地方税(法人住民税や法人事業税など)の期限延長は、国税の「地域指定」に連動して自治体が指定する場合と、各自治体の条例に基づいて独自に対応を求める場合があるため、国税だけでなく、県税事務所や市区町村への地方税の確認・手続きも必要になる場合があります。
災害時に役立つ情報・相談先
税務の情報・相談先
●災害関連情報|国税庁
→ 災害が発生した際に、まず確認したい総合案内ページです。
●No.8001 災害等による期限の延長|国税庁
→ 申告・納付などの期限を延長できるか確認したいときに見るページです。
●災害|国税庁
→ 災害による税務上の救済措置を、知りたい税目・制度から探したいときに見るページです。
●災害に関する法人税、消費税及び 源泉所得税の取扱いFAQ
→ 被災した会社の具体的な会計・税務処理を確認したいときに見るページです。
●災害に関する所得税の取扱い(個人の方)|国税庁
→ 会社ではなく、個人が被災した場合の所得税について確認するときに見るページです。
行政の情報・相談先
●総務省|行政相談|災害時の行政相談活動
→ 税務に限らず、行政手続や公的支援について困ったときに確認するページです。
●災害関連情報 | 中小企業庁
→ 被災した会社が利用できる中小企業向けの支援策を確認するときに見るページです。
よくある質問(FAQ)
Q1.災害で被災した場合、法人税や消費税の申告期限は自動的に延長されますか?
A. 地域指定の対象地域に納税地がある場合は自動的に延長されます。
Q2.申告期限を過ぎてしまった後でも、期限の延長を申請できますか?
A. はい、申告期限が経過した後でも、災害によって期限までに申告・納付できなかった場合には、期限延長を申請できる場合があります。
まずは被害状況を整理し、できるだけ早めに税務署へ相談することが重要です。
Q3.災害で被害を受けた会社は、税務署以外のどこに相談できますか?
A.税務については国税庁、中小企業向けの支援制度については中小企業庁、行政手続全般については総務省の行政相談窓口などに相談できます。
利用できる支援制度は災害や地域によって異なるため、最新情報を確認しましょう。
すぐに税務の手続きを確認しましょう。

地震や豪雨などの災害によって会社が被災した場合、事業の復旧を優先する一方で、申告・納税などの税務手続きについても確認が必要です。
災害による申告・納税期限の延長には、「地域指定」「対象者指定」「個別指定」の3つの制度があります。
特に、実際に被災した会社は、まず自社の納税地が地域指定の対象となっていないかを確認し、対象外であっても災害によって申告・納付が困難な場合には、個別指定を検討することが重要です。
また、災害による税務上の措置を受けるためにも、被害状況を写真や記録などでできるだけ具体的に残しておくことが重要です。
被害を受けた建物や設備、商品などの状況を記録しておくことで、損失の計上等の救済を受けやすくなります。
災害時には税務上の措置だけでなく、中小企業向けの支援制度や行政への相談窓口など、さまざまな支援を利用できる場合があります。
災害が発生した際は、まず国税庁や中小企業庁などの最新情報を確認し、自社が利用できる制度や必要な手続きを整理しましょう。
申告・納税や税務上の取扱いについて判断に迷う場合には、税務署や税理士などの専門家へ早めに相談することをおすすめします。
本記事が、災害による被害を受けられた企業の皆様にとって、税務手続きや支援制度を確認する際の一助となれば幸いです。
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東京税理士会(登録番号:112259)
監査法人トーマツに入社し会計監査及び株式公開支援業務に従事。その後、野村證券株式会社において資金調達やM&Aに関する財務戦略の提案業務を手掛け、また、ベアー・スターンズ証券東京支店では不動産融資及び証券化業務に携わる。
2008年に独立し、マクシブ総合会計事務所及びマクシブ・アドバイザーズ株式会社を立ち上げ代表に就任。


