こんにちは。マクシブ総合会計事務所です。
今回は、資金調達の一つの手法として広く普及してきたクラウドファンディングを取り上げ、資金調達を行う企業の税金と会計処理について解説します。
弊社のクライアントでもクラウドファンディングにより資金調達を行うケースがよく見られます。
この記事が、皆様の事業運営の一助となれば幸いです。
目次
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて、多くの人々から資金調達を行う仕組みです。
個人や企業がプロジェクトやアイデアを公開し、それに共感した不特定多数の人々から支援を募ります。一般的には、クラウドファンディングのプラットフォームを運営する企業が、資金調達者と支援者との間を取り持ち、資金調達をサポートします。
クラウドファンディングは、主に以下の4つの種類に分けられます。
寄附型クラウドファンディングは、支援者がプロジェクトや活動に共感し、金銭的な支援を行うものです。
支援者へのリターンは、お礼のメッセージや活動報告などが一般的で、金銭的なリターンを目的としません。
購入型クラウドファンディングは、支援者がプロジェクトの商品やサービスを購入する形で支援を行うものです。
プロジェクトが目標金額を達成した場合のみ、商品やサービスが提供されることが一般的です。支援者は、商品やサービスを入手することを目的に支援を行います。
融資型(貸付型)クラウドファンディングは、支援者がプロジェクトにお金を貸し付け、利息とともに返済を受けます。
ソーシャルレンディングとも呼ばれ、支援者は、利息収入を得ることを目的に支援を行います。
出資型クラウドファンディングは、支援者がプロジェクトに出資し、事業の利益分配や株式の取得を目的とします。
株式投資型クラウドファンディングなどが該当し、支援者は、投資リターンを得ることを目的に支援を行います。
クラウドファンディングの種類によって、会計処理の方法が異なります。
それぞれの税金や会計上の取扱いを見ていきましょう。
寄附型クラウドファンディングで調達した資金は、原則として「雑収入」や「受贈益」として計上します。寄附金は消費税の対象外となります。
また、プロジェクトの実施に必要な費用は、経費として計上が可能です。
具体的な仕訳は以下のようになります。
【資金調達時】
クラウドファンディングにより100万円の寄付が集まり、プラットフォーム手数料20万円(別途消費税2万円)を差し引いた78万円を受け取った。
(借方)現金預金 78万円 (貸方)雑収入 100万円
支払手数料 20万円
仮払消費税 2万円
購入型クラウドファンディングで調達した資金は、原則として「売上」として計上します。通常、代金が先払いされるので、一旦「前受金」として処理し、商品やサービスの提供時に売上に計上します。消費税の課税対象となるため、適切な処理が必要です。
支援者に提供する商品やサービスの原価は、売上計上に対応するよう「売上原価」として費用計上します。また、プラットフォーム手数料や広告宣伝費などは、販売費及び一般管理費として経費計上します。
具体的な仕訳は以下のようになります。
【資金調達時】
クラウドファンディングにより110万円を資金調達し、プラットフォーム手数料20万円(別途消費税2万円)を差し引いた88万円を受け取った。
(借方)現金預金 88万円 (貸方)前受金 110万円
支払手数料 20万円
仮払消費税 2万円
【商品仕入時】
商品を40万円(別途消費税4万円)で仕入れた。
(借方)商品 40万円 (貸方)現金預金 44万円
仮払消費税 4万円
【商品・サービス提供時】
支援者に商品を提供した。
(借方)前受金 110万円 (貸方)売上高 100万円
仮受消費税 10万円
(借方)売上原価 40万円 (貸方)商品 40万円
融資型クラウドファンディングで調達した資金は、「借入金」として計上し、返済時の利息は「支払利息」として計上します。
具体的な仕訳は以下のようになります。
【資金調達時】
クラウドファンディングにより100万円を資金調達し、ソーシャルレンディング運営会社に対する手数料10万円(別途消費税1万円)を差し引いた89万円を受け取った。
(借方)現金預金 89万円 (貸方)借入金 100万円
支払手数料 10万円
仮払消費税 1万円
【利息支払・元金返済時】
1年後に利息5万円を支払い、また、元金100万円を返済した。
(借方)支払利息 5万円 (貸方)現金預金 105万円
借入金 100万円
出資型クラウドファンディングで調達した資金は、原則として「資本金」として計上します。投資家への利益分配を行う場合は、「配当金」として処理します。
投資型クラウドファンディングでの資金調達は、資本取引となるため、消費税は対象外となります。
ただし、資本金として計上できるのは、株主から払い込まれた金額のうち、会社法で定められた金額です。払い込まれた金額のうち、資本金に組み入れなかった金額は、資本準備金として計上します。
具体的な仕訳は以下のようになります。
【資金調達時】
クラウドファンディングにより100万円の資金調達を行い、プラットフォーム手数料10万円(別途消費税1万円)を差し引いた89万円を受け取った。
(借方)現金預金 89万円 (貸方)資本金 100万円
支払手数料 10万円
仮払消費税 1万円
【配当決定時】
株主総会で配当金5万円を決定した。
(借方)利益剰余金 5万円 (貸方)未払配当金 5万円
【配当金支払時】
配当金を支払った。
(借方)未払配当金 5万円 (貸方)現金預金 5万円
いかがでしたか?
クラウドファンディングに関する税金や会計処理は、税法や会計基準の改正により変更される可能性があります。常に最新の情報を確認するようにしてください。
この記事が、皆様の事業運営の一助となれば幸いです。
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監査法人トーマツに入社し会計監査及び株式公開支援業務に従事。その後、野村證券株式会社において資金調達やM&Aに関する財務戦略の提案業務を手掛け、また、ベアー・スターンズ証券東京支店では不動産融資及び証券化業務に携わる。
2008年に独立し、マクシブ総合会計事務所及びマクシブ・アドバイザーズ株式会社を立ち上げ代表に就任。