こんにちは。マクシブ総合会計事務所です。
今回の記事では、2026年秋に終了・縮小を迎える消費税の「優遇期間(特例措置)」について解説します。 インボイス制度が開始されてから時間が経過し、実務にも慣れてきた頃かと思います。しかし、2026年10月以降には「免税事業者からの仕入税額控除の縮小」と「2割特例の終了」が迫っています。納税額の増加に備えるための「自社に最適な申告方法の検討」の重要性と、具体的な対策をお伝えします。
マクシブ総合会計事務所
公認会計士・税理士:金子 太妥志
公認会計士(登録番号14762)税理士(登録番号112259)
目次
現在、免税事業者からの仕入れでも消費税の80%を控除できる特例がありますが、2026年10月1日以後に開始する課税期間から「7・5・3割控除」へと段階的に引き下げられます。
また、一つの免税事業者からの仕入れに対する控除上限額も、「年間10億円」から「年間1億円」へと引き下げられます。該当する規模の取引がある場合は、注意が必要です。
インボイス制度開始に合わせて導入された、税負担を大きく抑えられる「2割特例」は、2026年9月30日を含む課税期間をもって終了します。
特例終了後に新設される「3割特例」は個人のみが対象であり、法人は例外なく「本則課税」か「簡易課税」のいずれかに戻るため、納税額の大幅な増加は避けられません。特例に頼らない自社の正確な納税額を、今のうちから把握しておく必要があります。
優遇期間が終了すると、これまで抑えられていた税金がダイレクトにのしかかり、会社の大切な手元資金が減少してしまいます。対策を急ぐべき状態かどうか、以下の項目を確認してください。
一つでも当てはまる場合、申告方法の選択によって今後の納税額が大きく変わる可能性が高いです。
消費税の計算方法には「本則課税」と「簡易課税」の2種類があり、どちらを選ぶかで税負担が大きく変動します。 例えば、商品の仕入れ等が少なく、人件費(給与)等の割合が高い業種は簡易課税が有利になりやすく、逆に多額の設備投資を予定している場合は本則課税が有利になるケースもあります。
簡易課税制度の適用を受けるには、原則として適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに届出書を提出する必要があります。
これまで2割特例を適用していた法人が簡易課税へ移行する場合、特例措置として提出期限が申告期限まで延長されます。
※例外として、2割特例を適用した翌課税期間が2026年9月30日以前に終了する法人の場合は、「その課税期間の末日まで」に早まるため注意が必要です。
いいえ、使えません。「3割特例」は個人事業者のみが対象です。法人は本則課税か簡易課税のいずれかに戻るため、早めの試算が不可欠です。
A.簡易課税は、実際の経費(領収書等)を細かく集計する手間が省ける一方、高額な設備投資などを行った年に「消費税の還付」を受けられないデメリットがあります。一度選択すると2年間は継続適用となるため慎重な判断が必要です。
A.すぐに停止する必要はありませんが、2026年10月以降は自社の税負担が確実に増えます。今のうちから価格交渉やインボイス登録のお願いなど、事前のコミュニケーションを図ることをお勧めします。
特例終了に伴う税負担の増加を抑えるためには、現状の正確な数字をもとに「本則課税」と「簡易課税」のどちらが自社に適しているか、納税(申告)方法の検討が不可欠です。有利な申告方法を選択することが、手元の利益と資金繰りを守る第一歩となります。
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監査法人トーマツに入社し会計監査及び株式公開支援業務に従事。その後、野村證券株式会社において資金調達やM&Aに関する財務戦略の提案業務を手掛け、また、ベアー・スターンズ証券東京支店では不動産融資及び証券化業務に携わる。
2008年に独立し、マクシブ総合会計事務所及びマクシブ・アドバイザーズ株式会社を立ち上げ代表に就任。