

皆さんは「決算書」の見方を正しく理解されていますか?
弊社では、多くのクライアント様のお手伝いをさせていただいている中で、「決算書の見方がいまいち分からない!」という声を多くお聞きします。
決算書は、企業の経営状況や財務の状態を把握する上で、とても大切な書類となります。前回は「貸借対照表」の見方について解説いたしました☟☟


今回は、決算書の中でもダイレクトに会社の利益がわかる「損益計算書」の見方について解説していきます。
損益計算書の見方のポイントが分かれば、「会社がどれくらい利益を出しているのか」が理解できるようになります。会社を経営していく上で、自社の利益を正しく理解することはとても重要になってきます。
それでは実際に「損益計算書」の見方やポイントを解説していきます。
決算書とは何なのか?
そもそも決算書とは、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書などの財務諸表のことを指します。これらは企業の経営や財務の状況を数字でダイレクトに表しているものとなります。
決算書が必要になる場面とは?
決算書は法人経営をする上で、以下のような場面で必要となります。
・税務署に確定申告を行うとき。
・金融機関に融資審査をしてもらうとき。
・企業の株主と経営陣が異なる場合、経営陣が株主に提供された資金の運用状況を確認するとき。
・企業の利害関係者が、企業の経営状況を確認するとき。
損益計算書(P/L)とは?わかりやすく解説!
次に、決算書の一部でもある「損益計算書」の見方について、わかりやすく説明していきます。
損益計算書は、Profit and Loss Statement(P/L)と呼ばれ、収益から費用を差し引いた利益を表す書類となります。
大まかには、『会社がどんな費用をどれくらい使い、最終的にどれだけの利益を残したか』を読み取るものとなります。
損益計算書には「収益・費用・利益」の3つの要素が記載されています。
上から順に、収益⇒費用⇒利益と並んでいます。
収益の部分の「売上総利益(収益)」から「販管費及び一般管理費(費用)」を含むさまざまな費用を引いたものが、「当期純利益(利益)」となります。
損益計算書の見るポイント:5つの利益に着目しよう!
損益計算書を見るうえで、「5つの利益」に着目することはとても重要なポイントと言えます。
5つの利益とは、①売上総利益 ②営業利益 ③経常利益 ④税引前当期純利益 ⑤当期純利益です。
① 売上総利益
売上総利益は、自社の商品やサービスでどれくらいの利益が得られているかをダイレクトに表す数字です。
売上総利益は以下の数式で求められます。
売上総利益=売上ー売上原価
会社のサービスや営業活動の対価として得られる売上から、商品を仕入れるためにつかった費用を差し引くことで求められます。
事業を始めたばかりのころは、この売上総利益に着目しがちですが、この要素ばかり強化していると、会社の資金繰りの悪化に気付きにくいというデメリットがあります。
② 営業利益
営業利益は上記で説明した、売上総利益から様々な経費(販管費及び一般管理費)を差し引くことで求められます。
営業利益=売上総利益-販管費及び一般管理費
一般的な商売には、会社を経営していくために様々な経費がかかります。
これを売上総利益から差し引くことで、サービスを提供したり商品販売などの本業で稼いだ利益を求めることが出来ます。
③ 経常利益
経常利益は上記で説明した営業利益に対して、本業以外の収益や費用をまとめた数字となります。株の売買や、本業に付随したサービスによって得た利益などは経常利益となります。
経常利益は以下の数式で求められます。
経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用※
※営業外費用とは、本業の営業活動以外で継続的に発生する費用のことで、借金の返済の利息や株の売却損などがそれにあたります。
④税引前当期利益
会社は、その期の利益に応じて税金を支払いますよね。
税引前当期利益は、その税金を支払う前の利益を表す数字となります。
税引前当期利益=経常利益+特別利益※1-特別損失※2
※1特別利益とは、本業とは無関係に一時的に発生する利益のことで、固定資産売却益などがそれにあたります。
※2特別損失とは、本業とは無関係に一時的に発生する損失のことで、固定資産売却損などがそれにあたります。
⑤ 当期純利益
当期純利益は、税引前当期利益から支払う税金を差し引いたもので、会社の最終的な利益となります。この数字がプラスならば黒字、マイナスならば赤字となります。
当期純利益=税引前当期利益-法人税等
損益計算書の一番下に現れる数字で、会社の当期の純粋な利益を表すものとなります。この利益が株主配当や内部留保に使用されることとなります。
5つの利益がバランスよく「利益」となっているかを確認しよう!
損益計算書を見る際に重要なのは、上記で説明した「5つの利益」がプラスになっているかという点です。特に、③の「経常利益」がプラスであることはとても重要です。
最終的な当期純利益がプラスでも、経常利益がマイナスの会社は「特別利益(臨時的な利益)によって当期の利益がプラスなだけで、本業だけの営業では当期純利益もマイナスになる恐れがある」という見方ができるからです。
損益計算書を確認して、経常利益がマイナスの会社は、事業計画や資金繰りを見直す必要があります。
決算書を正しく読み取って、会社の状況を把握しよう!
いかがでしたか?
今回は「損益計算書」の見方とポイントに関してご説明しました。
損益計算書は、企業の今期の経営成績や収益力を明らかにした大事な書類となります。見方を覚えて、会社経営に役立てましょう。
弊社は会計事務所として、経理代行サービスを導入しております。
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東京税理士会(登録番号:112259)
監査法人トーマツに入社し会計監査及び株式公開支援業務に従事。その後、野村證券株式会社において資金調達やM&Aに関する財務戦略の提案業務を手掛け、また、ベアー・スターンズ証券東京支店では不動産融資及び証券化業務に携わる。
2008年に独立し、マクシブ総合会計事務所及びマクシブ・アドバイザーズ株式会社を立ち上げ代表に就任。