

今回は、日頃の会計事務や決算時において欠かすことのできない、重要な帳簿書類の一つである「総勘定元帳」についてです。
常日頃使用されているものだと思いますが、ちゃんと理解されていますでしょうか。
改めて分かり易くご紹介いたします。
総勘定元帳とは
総勘定元帳とは、全ての取引内容を勘定科目ごとに記録していく帳簿のことです。
総勘定元帳を確認することで、勘定科目ごとに、取引日や内容、残高がすぐにわかるようになっています。
総勘定元帳と仕訳帳の違いについて
続いて、総勘定元帳と仕訳帳の違いについて説明します。
仕訳帳は、発生した取引を日付順に記録していく帳簿です。
過去の取引内容を確認したい際に、いつ発生した取引なのかわかっている場合には、仕訳帳から探していくことができます。
しかし、総勘定元帳のように勘定科目ごとで分かれていない為、勘定科目ごとの残高はわかりません。また、取引内容や勘定科目から探したい際には時間がかかってしまいます。
総勘定元帳の記帳方法
では、総勘定元帳はどのように記帳するのでしょうか。
一般的に、会計ソフトを使用している場合は、仕訳帳に入力をしていくと総勘定元帳へ自動的に取引内容が反映されます。
しかし、手書きで帳簿を管理されている場合には、仕訳帳の内容を総勘定元帳へ転記していく必要があります。
紙帳簿:総勘定元帳の記帳方法の具体例
総勘定元帳の記帳について、例を用いてご説明します。
例)4月1日 A商店へ商品を販売。代金15,000円を現金で受け取った。
例)4月2日 タクシー代1,000円を現金で支払った。
まずこの仕訳は…
となりますので、これを仕訳帳に記帳します。
その後、それぞれの勘定科目ごとの総勘定元帳に転記していきます。
今回は現金の総勘定元帳でご説明します。以下のようになります。
※「仕丁」というのは、仕訳帳の何ページに記帳されている取引かを表す数字です。
・仕訳帳で借方にある勘定科目の金額を、その勘定科目の総勘定元帳の借方欄に記入
・仕訳帳で貸方にある勘定科目の金額を、その勘定科目の総勘定元帳の貸方欄に記入
次に、相手勘定科目が複数ある場合の記帳方法についてです。
こちらも例を用いて説明します。
例)4月3日 売掛金10万円が、振込手数料660円を差し引いた金額で普通預金口座に振り込まれた。
まずこの仕訳は…、


となりますので、上記のように仕訳帳に記帳します。
次に、この仕訳を総勘定元帳に転記していきます。以下のようになります。


複数の相手勘定科目が発生した場合には、総勘定元帳においては「諸口」という勘定科目で1行にまとめて転記します。仕訳の詳細は仕訳帳を確認すれば分かるようになっています。
総勘定元帳の保存期間について
ここでは税法に規定されている、青色申告法人が備えるべき帳簿書類の保存期間についてご説明します。
総勘定元帳、仕訳帳ともに保存期間は、対象事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間です。
※青色申告書を提出した事業年度に欠損金額が生じた場合等、保存年限が10年間となる場合があります。その他の帳簿書類等の保存期間と合わせて、具体的な内容については国税庁のHPをご確認ください。
会計ソフトの利用で、記帳業務の工数を削減しよう。
前項まで、紙での総勘定元帳の記帳方法をご紹介いたしました。
しかし、紙帳簿の作成は手作業となってしまうためミスが多くなり、記帳する項目が多いので時間も多くかかってしまいます。
一方で、会計ソフトを使用すれば、仕訳をひとつ作成するだけで、総勘定元帳も自動的に作成される仕組みとなっており、大幅な工数削減となります。
紙帳簿から会計ソフトへの移行時は少なからず面倒な作業もあるため、手を出しづらい印象もありますが、導入後は記帳業務だけにとどまらず、経理業務全体にかけていた工数は大幅に削減されます。
電子帳簿保存法の改正もありますし、手作業で帳簿を作成するよりも数字の正確さもアップするので、お悩みの方には導入を強くお勧めします。




総勘定元帳の必要性を理解して、正確な帳簿を作成しよう!
いかがでしたでしょうか。
今回は「総勘定元帳」についてご紹介いたしました。
改めて帳簿書類の仕組みを理解することで、頭の体操になったかと思います。
決算期に慌てることがないように余裕をもって、常日頃から正しい記帳をしていきましょう。
弊社は会計事務所として、経理代行サービスを導入しております。
正確な帳簿、決算書を作成いたしますので、会社の状況を深く理解することが出来ます。
毎月の記帳業務が煩わしい、税務のことはよく分からない…そのようなお悩みは「経理代行サービス」の導入で解消してしまいましょう!
経理業務においてお悩みのお客様は、初回の無料面談をご予約いただければと思います!


📞03-6450-1117
経理外注・記帳代行センターHP
マクシブ総合会計事務所
ご登録はコチラ → ◇FASクラブ メルマガ◇


東京税理士会(登録番号:112259)
監査法人トーマツに入社し会計監査及び株式公開支援業務に従事。その後、野村證券株式会社において資金調達やM&Aに関する財務戦略の提案業務を手掛け、また、ベアー・スターンズ証券東京支店では不動産融資及び証券化業務に携わる。
2008年に独立し、マクシブ総合会計事務所及びマクシブ・アドバイザーズ株式会社を立ち上げ代表に就任。