【源泉所得税と住民税】納期特例制度をご存知ですか?!
こんにちは!マクシブ総合会計事務所です。
役員報酬のシリーズがひと段落しましたので、今度は「所得税と住民税の納付方法」に関するお役立ち情報をご紹介します!
追記:2026年9月7日
皆さん、「納期の特例」という制度をご存知ですか?
「納期の特例」とは…給与の支給人員が常時10人未満である法人が、毎月納付されている源泉所得税と住民税の納付を半年に1回まとめて納付すれば良い制度になります。
税金の煩わしい納付が年に2回になるので、法人の負担は一気に軽くなりますね!
さらに、令和8年(2026年)分は「178万円の壁」への引き上げなど、所得税・年末調整の大規模な税制改正が行われます。納期の特例を利用している法人は、令和8年の年末調整において実務上の大きな影響が予想されますので、併せて要件や内容をチェックしていきましょう!!
源泉所得税の納期特例とは?
①適用を受けるためには
「給与支払事務所等の開設届出書」を提出した管轄の税務署に、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出するのみとなります。
(国税庁HP:【手続名】源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請)
また適用開始は、届出書を提出した月の翌月に支払う給与からとなります。
例えば、3月に提出した場合は、3月の給与の源泉所得税は4/10に納付、4~6月分は7/10に納付という流れになります。
②納期限について
1~6月支給分:7/10
7~12月支給分:翌年1/20
※納期限が土日祝日だった場合は、翌営業日
③対象者
・従業員
・士業の方への報酬
支払った月の翌月10日までの納付となるので気を付けましょう!
【重要】令和8年分改正!納期特例法人が注意すべき年末調整への影響
納期の特例を利用している法人は、翌年1月20日の納付時に「年末調整の精算(還付・不足額の徴収)」をあわせて行います。しかし、令和8年分の年末調整は例年と大きく異なるため、特に注意が必要です。
① 令和8年分の所得税・扶養親族等の主な改正ポイント
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「178万円の壁」への拡大
基礎控除が最大104万円、給与所得控除の最低保障額が74万円(ともに時限的な特例上乗せ分を含む)に引き上げられ、所得税がかからない給与収入の基準が「178万円」まで拡大されます。 -
扶養親族等の所得要件の緩和
基礎控除の引き上げに伴い、配偶者や扶養親族の合計所得金額要件が「58万円以下」から「62万円以下(給与収入136万円以下)」へ緩和されます。
これにより、新たに扶養控除の対象となる家族が増える可能性があるため、「令和8年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」で従業員の家族の所得見積額を正しく確認する必要があります。
② 納期の特例法人が直面する「年末調整の大還付」リスク
令和8年の税制改正による特例上乗せ分は、11月までの毎月の源泉徴収には反映されず、12月の年末調整で一括して精算されます。そのため、令和8年の年末調整では、従業員に対して例年よりも多額の還付金が発生するケースが多くなります。
【納付額より還付金額が多くなってしまう場合】
納期の特例を利用している場合、「7〜12月で預かった源泉所得税額」から「従業員への還付金額」を差し引いて税務署へ納付します。
しかし、令和8年は還付金額が多額になるため、預かった税額から引ききれず、会社が一時的に還付金を立て替える形になってしまう事態が想定されます。
引ききれない過納額(超過額)が発生した場合、原則として翌月以降に納付する源泉所得税から相殺(充当)して精算します。
しかし、還付額が多額で「還付することとなった日の翌月から2か月を経過しても還付(充当)しきれないと見込まれる場合」等には、管轄の税務署へ「源泉所得税及び復興特別所得税の年末調整過納額還付請求書」を提出し、税務署から会社へ直接還付を受ける手続きを検討しましょう。会社の資金繰りを圧迫しないための重要な対策です。
住民税の納期特例とは?
①適用を受けるためには
給与支給をしている方の住民票がある市区町村へ「特別徴収税額の納期の特例に関する承認申請書」を提出するのみとなります。
こちらも源泉所得税と同様に、提出した月の翌月から適用となりますので、適用を受けたい月の20日頃までにはご提出してくださいね!
②納期限について
6~11月分:12/10
12~5月分:6/10
※納期限が土日祝日だった場合は、翌営業日となります。
給与支給人員が10名を超えてしまった場合の手続きは?
「納期の特例制度」は、あくまでも給与支給人員が常時10人未満の法人に適用となります。
給与支給人員が10名を超えてしまった場合は、以下の届出書を提出しなければいけません。
源泉所得税:源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書
住民税:特別徴収税額の特例の要件を欠いた場合の届出書
上記をそれぞれご提出ください。
おわりに…
如何でしたでしょうか。
源泉所得税と住民税の納付時期が若干ずれてしまうのが懸念事項ですが、毎月銀行に納付に行く手間を考えたら、とても便利な制度だと思いますので、是非ご活用ください!
ただし、令和8年分の年末調整は、大幅な税制改正の影響により「多額の還付精算」や「扶養要件の再確認」などイレギュラーな対応が求められます。経理担当者様の負担はいつも以上に重くなることが予想されるため、早めの準備をおすすめします。
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【監修】税理士:金子 太妥志


