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【初めての税務調査】税務署から連絡が来た時に慌てないための初期対応マニュアル
【初めての税務調査】税務署から連絡が来た時に慌てないための初期対応マニュアルこんにちは、マクシブ総合会計事務所です。  https://maxiv.blog/tax-deferred-ass...

 

 企業会計において、日常的に発生する取引の処理には様々な論点がありますが、中でも「控除対象外消費税額」の取り扱いは、税務調査で指摘を受けやすい複雑なテーマの一つです。 

特に税抜経理を採用されている事業者の皆様は、この控除対象外消費税の会計処理と法人税・所得税法上の税務処理を正しく理解し、適切な記帳と申告を行う必要があります。 

本記事では、この控除対象外消費税額等がなぜ発生するのか、そして資産に係るものと資産以外に係るもので具体的にどのような処理が必要になるのかを、税法上の特例を含めて詳しく解説します。 

控除対象外消費税額とは何か?発生のメカニズム

控除対象外消費税額とは何か?発生のメカニズム

消費税の申告は、原則として、売上げ時に顧客から預かった消費税(仮受消費税)から、仕入れや経費の支払いで業者に支払った消費税(仮払消費税)を差し引いて、その差額を国に納付する仕組み(仕入税額控除)が採られています。 

ただすべての仮払消費税を差し引けるわけではありません。事業者が売上として計上する取引の中には、消費税がかからない「非課税売上」や「不課税売上」が含まれている場合があります。 

仕入れや経費にかかった消費税は、その支出が課税売上に対応する部分だけが控除できる、という考え方が基本となります。この考え方に基づき、課税売上に対応しない部分の仮払消費税は、売上にかかる消費税から控除することができません

この控除できなかった消費税額が「控除対象外消費税額」となります。 

控除対象外消費税額が発生するケースとは?

控除対象外消費税額が発生するケースとは?

課税売上高が5億円超の場合や課税売上高が5億円未満でかつ課税売上割合が95%未満の場合、原則として、仮払消費税のうち非課税売上等に対応する部分は控除対象外消費税額となります。

この非課税売上等に対応する部分は個別対応方式又は一括比例配分方式により計算します。なおそれぞれの計算方法についての説明はここでは割愛します。 

控除対象外消費税の会計・税務処理【税抜経理の場合】

控除対象外消費税の会計・税務処理【税抜経理の場合】

控除対象外消費税額は、法人税(または所得税)の計算上、原則として損金算入(費用として計上)できますが、それが何のために支払われたかによって、損金算入のタイミングが異なります 

(1) 資産以外(経費)に係る控除対象外消費税額

消耗品費や通信費、修繕費など、経費として計上される支出に対応する控除対象外消費税額です。 

この控除対象外消費税額は、発生した事業年度の費用として処理することができます。勘定科目は、「雑損失」や「租税公課」を用いるのが一般的です。 

ただし、交際費、接待飲食費などの支出に対応する控除対象外消費税額等は、法人税法上の交際費の損金不算入額の計算に含める必要があります。つまり、控除対象外となった消費税部分も含めて損金不算入限度額を超えた金額は、税務申告で損金不算入(加算調整)が必要となります。 

(2)資産に係る控除対象外消費税額

棚卸資産、建物、機械装置、車両運搬具などの資産の取得に対応する控除対象外消費税額です。この処理が最も複雑で、金額や課税売上割合によって、以下のいずれかの方法によって費用に計上します。 

① 資産の取得価額に算入

  • 処理方法: 控除対象外消費税額を、その資産の取得価額に含めます 
  • 損金算入のタイミング: 取得価額に算入された控除対象外消費税額は、固定資産本体と同様に、減価償却等を通じて複数年度にわたって費用化され、その都度損金算入されます。 

② 全額損金算入

処理方法

控除対象外消費税額を、取得した事業年度に雑損失、租税公課などとして全額費用として処理します。 

損金算入のタイミング

発生した事業年度に全額損金算入されます。 

適用要件
  • その事業年度の課税売上割合が80%以上である場合 
  • 一の資産に係る控除対象外消費税額が20万円未満である場合 
  • 棚卸資産に係る控除対象外消費税額である場合 

③60ケ月償却

処理方法

控除対象外消費税額を「繰延消費税額等」という勘定科目で資産計上します。 

損金算入のタイミング

資産計上した繰延消費税額を、60ケ月(5年間)で均等に償却し、その償却額を損金算入します。なお、取得初年度は6ケ月分に相当する金額の範囲内で費用を計上します。 

上記③の「60ケ月償却」を適用した場合には、法人税の確定申告の際、「別表十六(十)」(資産に係る控除対象外消費税額等の損金算入に関する明細書)を必ず添付する必要があります。 

税込経理の場合はどうか?

税込経理の場合はどうか?

もし貴社が税込経理を採用している場合、そもそも仕入れや固定資産の取得の際に、支払った消費税額を本体価格と分離せずに一括で記帳しているため、控除対象外消費税額という論点自体が発生しません

この場合、上記の複雑な処理は一切不要となります。 

まとめ:専門家によるチェックが不可欠

控除対象外消費税額の処理は、特に高額な固定資産を取得し、かつ課税売上割合が低い事業者様にとって、税金計算に大きな影響を与える重要論点です。 

  • 経費関連は原則費用処理ですが、交際費は損金不算入の調整が必要です。 
  • 資産関連は、20万円基準80%基準に基づいて処理が大きく変わります。 

正しい処理を行わなかった場合、税務調査で否認され、追徴課税の対象となるリスクがあります。 

貴社の事業内容や直近の課税売上割合に基づき、どの処理が適用できるか、また最適な処理方法を判定するため、当事務所のような専門家によるチェックを強くお勧めします。 

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税理士:金子 太妥志
税理士:金子 太妥志
【監修】税理士:金子 太妥志
東京税理士会(登録番号:112259)

監査法人トーマツに入社し会計監査及び株式公開支援業務に従事。その後、野村證券株式会社において資金調達やM&Aに関する財務戦略の提案業務を手掛け、また、ベアー・スターンズ証券東京支店では不動産融資及び証券化業務に携わる。

2008年に独立し、マクシブ総合会計事務所及びマクシブ・アドバイザーズ株式会社を立ち上げ代表に就任。

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