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【令和6年度改正対応】外形標準課税の基本と実務の留意点:資本金1億円以下の企業も要注意!

こんにちは。マクシブ総合会計事務所です。 

 

【令和8年度税制改正】「1億円の壁」が消える?高額所得者への課税強化を徹底解説令和8年度税制改正で「1億円の壁」対策が大幅強化。特別控除額の半減・税率30%への引き上げにより、高額所得者の税負担はどう変わるのか?具体的な計算例と実務上の影響を会計事務所の視点で解説します。...

 

近年、大手企業が資本金を1億円以下に減資し、中小企業向けの税制優遇や「外形標準課税」の回避を図る動きが注目されてきました。これを受け、令和6年度税制改正では、外形標準課税の対象範囲を適正化するための大きな見直しが行われました。 

本記事では、会計事務所の視点から、外形標準課税の基礎知識から最新の改正内容、そして実務上の留意点までを徹底解説します。 

 

 

外形標準課税の概要と仕組み

外形標準課税とは、法人の「所得(利益)」だけでなく、事業の規模を表す「外形」を基準に課税する制度です。

なぜ「所得」以外に課税されるのか?

通常の法人事業税は、利益が出た場合にのみ課税されますが、これでは赤字企業は税負担を免れることになります。しかし、赤字であっても公共サービス(道路、警察、消防など)の便益を受けていることに変わりはありません。そこで、応益性の観点から「事業規模」に応じた負担を求めるのがこの制度の趣旨です。 

対象となる法人(原則)

原則として、事業年度終了の日の資本金の額が1億円を超える法人が対象となります。 

※公益法人、人格のない社団、特別法人などは除外されます。 

税金の構成

外形標準課税対象法人の事業税は、以下の3つの合計で計算されます。 

  1. 所得割:法人の所得(利益)に対して課税
  2. 付加価値割:収益配分額(報酬給与額+純支払利子+純支払賃借料)+単年度損益
  3. 資本割:資本金等の額に対して課税

令和6年度税制改正のポイント:新たな「2つの基準」

令和6年度の改正の肝は、「資本金が1億円以下になっても、実態が大企業であれば外形標準課税の対象にする」という点です。 

減資への対応(2025年4月1日以後開始事業年度から)

これまでは、期末に資本金を1億円以下に減資すれば対象外となっていました。改正後は以下のすべてを満たす場合、引き続き対象となります。 

  • 前事業年度に外形標準課税の対象であった。
  • 当事業年度末の資本金が1億円以下である。
  • 当事業年度末の「資本金+資本剰余金」の合計額が10億円を超える。

100%子法人等への対応(2026年4月1日以後開始事業年度から)

大企業のグループ子会社が、資本金を低く設定して対象外となるケースへの対策です。以下のすべてを満たす場合、対象となります。 

  • 資本金+資本剰余金の合計額が50億円を超える法人(特定法人)の100%子法人等である。
  • 事業年度末の資本金が1億円以下である。
  • 事業年度末の「資本金+資本剰余金」の合計額が2億円を超える。

実務上の留意点と会計処理

外形標準課税の対象となった場合、経理・税務実務において以下の点に注意が必要です。 

勘定科目の区分と計算

「付加価値割」の計算には、給与だけでなく、利子や賃借料の正確な集計が必要です。 

  • 報酬給与額:役員報酬、従業員給与、賞与、退職金だけでなく、派遣料(の75%)なども含まれます。
  • 純支払賃借料:土地や建物の賃借料が対象です。OA機器のリース料などは含まれません。

表示科目の違い

法人事業税のうち、「所得割」は損益計算書上で「法人税、住民税及び事業税」に表示しますが、「付加価値割」と「資本割」は「販売費及び一般管理費(租税公課)」として処理するのが一般的です。これにより、営業利益や経常利益が圧迫される点に留意してください。 

中間申告の義務

外形標準課税対象法人は、原則として中間申告(予定申告または仮決算に基づく申告)が必要となります。 

激変緩和措置とスケジュール

改正によって新たに課税対象となる法人の負担を和らげるため、段階的な軽減措置が設けられています。 

適用時期 軽減の内容
令和8年度(2026年度)開始事業年度 新たな課税額のうち、増加分の 2/3 を控除
令和9年度(2027年度)開始事業年度 新たな課税額のうち、増加分の 1/3 を控除

 

まとめ:早めのシミュレーションが不可欠

令和6年度の改正は、特に「大企業の100%子会社」や「多額の資本剰余金を抱えて減資を検討している企業」にとって大きな影響を及ぼします。 

「資本金1億円」という形式的な基準だけで判断していた時代は終わりました。今後は「資本金+資本剰余金」の推移や、親会社の規模も踏まえた慎重な検討が求められます。 

チェックリスト:貴社は大丈夫ですか?

  • 過去に外形対象だったが、減資して1億円以下にしている。
  • 親会社の資本規模が非常に大きい(50億円超)。
  • 資本剰余金が積み上がっており、自己株式の取得などを検討している。

外形標準課税の対象になると、赤字でも納税が発生し、キャッシュフローに影響を与えます。自社が新基準に該当するかどうか、早めに税理士等の専門家へ相談し、納税額のシミュレーションを行うことを強くお勧めします。 

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税理士:金子 太妥志
【監修】税理士:金子 太妥志
東京税理士会(登録番号:112259)

監査法人トーマツに入社し会計監査及び株式公開支援業務に従事。その後、野村證券株式会社において資金調達やM&Aに関する財務戦略の提案業務を手掛け、また、ベアー・スターンズ証券東京支店では不動産融資及び証券化業務に携わる。

2008年に独立し、マクシブ総合会計事務所及びマクシブ・アドバイザーズ株式会社を立ち上げ代表に就任。

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