【令和8年(2026年)最新版】配偶者控除・配偶者特別控除~変更点と年末調整実務ガイド~
こんにちは。マクシブ総合会計事務所です。
【更新日:2026年10月30日】
いよいよ年末調整の時期が近づいてきましたね。
令和8年(2026年)は税制改正により、基礎控除や給与所得控除、それに伴う扶養親族等の所得要件が大きく変わる年です。
中小企業の経理担当者様や経営者様にとっては、従業員様からの提出書類の確認や、新しい「年収の壁」への対応が必須となります。
今回は、国税庁の最新の改正情報も踏まえ、「令和8年12月以後の配偶者控除及び配偶者特別控除の変更点」に加え、「基礎控除・給与所得控除の改正」や「年末調整書類の確認ポイント」についてご紹介いたします。
令和8年(2026年)税制改正の大きな変更点(178万円の壁へ)
配偶者控除を理解するうえで、まず令和8年分から適用される基本となる控除の引き上げを押さえておきましょう。
基礎控除の引き上げ
合計所得金額489万円以下の場合、基礎控除が最大95万円から最大104万円(本則62万円+上乗せ特例42万円)に引き上げられました。
給与所得控除の引き上げ
最低保障額が65万円から74万円(給与収入220万円以下の場合。本則69万円+特例5万円)に引き上げられました。
所得税ゼロのラインが「178万円」へ
これにより、給与収入のみの場合、178万円(基礎控除104万円+給与所得控除74万円)まで本人に所得税がかからなくなりました。
「配偶者控除」とは?
「配偶者控除」とは、配偶者が一定の要件を満たすと、納税者本人の所得税額から一定の金額を控除できる仕組みのことです。
「配偶者控除」の対象になる人の要件
令和8年分からは、配偶者の所得要件が引き上げられています。対象となる配偶者は、その年の12月31日の現況で、以下の4つの要件すべてに当てはまる人です。
①民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)。
②納税者と生計を一にしていること。
③年間の合計所得金額が62万円以下であること。 (給与のみの場合は、給与収入が136万円以下)← 令和8年の重要変更点です!
④青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと。
※控除額の最大金額(38万円)自体は変更ありません。また、納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超えると配偶者控除は受けられません。
「配偶者特別控除」とは?
配偶者の所得が62万円(給与収入136万円)を超えてしまい、「配偶者控除」の適用が受けられない場合でも、配偶者の所得金額に応じて段階的に一定の金額の控除を受けられるのが「配偶者特別控除」です。
「配偶者特別控除」の対象になる人の要件
令和8年分の対象要件は以下の通り枠が広がっています。
●控除を受ける納税者本人のその年における合計所得金額が1,000万円以下(給与収入のみで1,195万円以下)であること。
●配偶者の年間の合計所得金額が62万円超133万円以下であること。 (給与のみの場合は、給与収入が136万円超207万円以下)
満額(38万円)の控除が受けられるラインは給与収入169万円以下(所得95万円以下)までとなっています。
【重要】令和8年の年末調整 実務・書類チェックポイント

中小企業の経理担当者様は、今回の改正が令和8年12月1日から施行されるため、今年の年末調整において以下の点に注意してください。
1. 新様式の申告書を必ず使用する
基礎控除の額や配偶者の所得要件の枠が変わっているため、今年からは「令和8年分 基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」を使用してください。
前年の旧様式では正しい控除額が計算できません。
また、「所得金額」の欄には、給与収入から給与所得控除(最低保障74万円)を差し引いた金額を記入するよう従業員へ周知しましょう。
2. 扶養控除等(異動)申告書への「令和8年12月1日 改正」の記載
扶養親族の要件も「合計所得62万円以下(給与収入136万円以下)」に引き上げられました。
今回の改正により新たに対象となる親族を追加する場合、申告書の「異動月日及び事由」欄に「令和8年12月1日 改正」と記載するよう国税庁より指示が出ています。
3. 【新設】「特定親族特別控除」の確認
19歳以上23歳未満のお子様がいる従業員に要注意です。
お子様の合計所得金額が62万円超123万円以下(給与収入136万円超197万円以下)の場合、「特定親族特別控除申告書」欄に記入することで、3万円〜63万円の段階的な控除を受けられるようになりました。
4. 生命保険料控除の拡充(23歳未満の扶養親族)
令和8年分から、23歳未満の扶養親族がいる場合、新契約の「一般生命保険料控除」の上限額が4万円から6万円に引き上げられました(※生命保険料控除全体の上限12万円は変わりません)。
保険料控除申告書の内容チェックの際はご留意ください。
5. 社会保険の壁(130万円など)には引き続き注意
所得税の壁は178万円まで上がりましたが、社会保険の扶養から外れる「130万円の壁」は据え置きです。
税金はかからなくても社会保険料の負担が生じるケースがあるため、従業員様の働き方の相談には、税と社会保険を分けて説明する必要があります。
よくある質問(Q&A)
Q1. パートの年収が「136万円」を超えたら、配偶者控除から外れて手取りが一気に減ってしまいますか?
A. 急激に手取りが減るわけではありません。
配偶者の給与収入が136万円(所得62万円)を超えると「配偶者控除」からは外れますが、代わりに「配偶者特別控除」が適用されます。
給与収入169万円(所得95万円)までは配偶者控除と同額の満額38万円の控除が受けられ、その後も給与収入207万円(所得133万円)までは段階的に控除額が縮小していく仕組みです。
ただし、所得税の控除とは別に「社会保険の壁(130万円の壁など)」が存在します。
企業の規模や労働時間によって社会保険料の自己負担が発生すると手取りに影響するため、税制上の控除と社会保険の両面から年間収入のシミュレーションを行うことが大切です。
Q2. 令和8年分で新しく扶養控除の対象になった家族がいる場合、年末調整の申告書にはどのように記載すればよいですか?
A. 「扶養控除等(異動)申告書」に氏名等を追記し、異動事由欄に「令和8年12月1日 改正」と記載します。
今回の改正により、扶養親族の所得要件が「合計所得62万円以下(給与収入136万円以下)」へ引き上げられたため、これまで対象外だったご家族が新たに控除対象となるケースがあります。
従業員様から書類を回収する経理担当者様は、以下の点を確認・案内してください。
●異動月日及び事由の欄に「令和8年12月1日 改正」と記載されているか
●所得見積額の欄に「年収(給与収入)」をそのまま書いていないか(給与所得控除の最低保障74万円を差し引いた所得金額が正しく計算されているか)
●必ず「令和8年分」の新様式を使用しているか
Q3. 大学生(19歳〜22歳)の子どもがアルバイトで年収150万円ほど稼いでいますが、控除はまったく受けられなくなりますか?
A. 令和8年分から新設された「特定親族特別控除」が適用されます。
これまでは年収が一定枠を超えると扶養控除(特定扶養親族63万円)が完全に外れていましたが、令和8年分からは所得金額に応じて段階的に控除を受けられる制度が導入されました。
19歳以上23歳未満の親族で、合計所得金額が62万円超123万円以下(給与収入136万円超197万円以下)の場合、「特定親族特別控除申告書」に記入して提出することで、親等の所得から3万円〜63万円の控除が受けられます。
学生アルバイトの「働き控え」を解消するための重要な改正ですので、該当するご家庭を持つ従業員様へ忘れずに周知しましょう。
新しい「年収の壁」への対応は必須!

令和8年(2026年)は「178万円の壁」や「配偶者控除136万円の枠拡大」、さらには特定親族の控除新設など、年末調整の実務が例年以上に複雑化しています。
経理担当者様は、12月の年税額再計算に向けて、早めに新様式の準備と従業員様へのアナウンスを進めることをお勧めします。
マクシブ総合会計事務所では、中小企業様の経理代行や税務相談、複雑な年末調整のアウトソーシングも承っております。ご不安な点や社内の業務負担にお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください!
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東京税理士会(登録番号:112259)
監査法人トーマツに入社し会計監査及び株式公開支援業務に従事。その後、野村證券株式会社において資金調達やM&Aに関する財務戦略の提案業務を手掛け、また、ベアー・スターンズ証券東京支店では不動産融資及び証券化業務に携わる。
2008年に独立し、マクシブ総合会計事務所及びマクシブ・アドバイザーズ株式会社を立ち上げ代表に就任。


