【完全版】税務調査で「やってはいけない」10のこと|調査官の視点と対策をプロが解説
こんにちは。マクシブ総合会計事務所です。
「税務調査が来る」という通知を受けたとき、冷静でいられる経営者は多くありません。しかし、焦りや不安からくる「不用意な行動」こそが、本来払う必要のない追徴課税や、重加算税という重いペナルティを招く原因となります。
本記事では、会計事務所の視点から、税務調査で絶対にやってはいけないことを10のポイントに絞って徹底解説します。
マクシブ総合会計事務所 公認会計士・税理士 金子 太妥志
事前準備編:絶対にやってはいけない2つのこと
調査当日を迎える前の段階で、勝負はすでに始まっています。
① 帳簿や領収書の「改ざん・隠蔽・廃棄」
最もやってはいけないのが、過去の数字をいじることです。「まずい箇所を見つけたから書き直そう」「この領収書は捨ててしまおう」という行為は、税務署に「隠蔽・仮装」とみなされます。
リスク
通常の追徴税額に加え、最大40%の重加算税が課されます。
アドバイス
ミスが見つかった場合は、調査が始まる前に「修正申告」を検討しましょう。正直に申告することが、結果として最もコストを抑える方法です。
② 顧問税理士への「嘘」や「事実の隠匿」
意外と多いのが、味方であるはずの税理士に不都合な事実を隠すケースです。
リスク
調査の場で税理士が「聞いていた話と違う」となれば、税理士との信頼関係が崩れるだけでなく、調査官に「この納税者は身内にも嘘をつく」という不信感を与えます。
調査当日編:対応でやってはいけない4つのこと
調査官が事務所や自宅にやってきた際、その振る舞い一つひとつがチェックされています。
① 調査官への「過度な接待」や「手土産」
「仲良くなれば見逃してくれるかも」という考えは捨ててください。
理由
現代の税務調査官は非常にクリーンです。昼食の提供や高価な茶菓子、帰り際の手土産などは、かえって彼らを警戒させます。
正解
お茶を出す程度にとどめ、昼食は外で食べてきていただくのがマナーです。
② 質問に対する「曖昧な回答」や「嘘の証言」
「たぶん大丈夫です」「そんなはずはありません」といった根拠のない回答は危険です。
リスク
後から矛盾が見つかった場合、意図的な虚偽説明と判断されます。
正解
分からないことは「今は正確に答えられませんので、確認して後ほど回答します」と、一度持ち帰るのが鉄則です。
③ 感情的になって「怒鳴る」「威圧する」
「高い税金を払っているのに何だ!」と怒鳴りつけるのは、逆効果でしかありません。
理由
調査官も人間です。態度が悪いと、「何か隠しているのではないか」「徹底的に調べてやろう」という心理的なバイアスを生みます。
④ 提示を求められていない資料まで見せる
サービス精神は不要です。
リスク
関連のない資料から新たな「突っ込みどころ」を発見される可能性があります。
正解
求められた資料(元帳、領収書、契約書など)のみをピンポイントで提出しましょう。
実務・交渉編:判断を誤ってはいけない4つのこと
調査の中盤から終盤にかけて、判断のスピードが問われる場面があります。
①「スマホ」や「パソコン」を自由に操作させる
デジタルデータの確認は一般的ですが、無制限に触らせてはいけません。
注意点
プライベートなメールや、今回の調査に関係のない別法人のデータまで見られる恐れがあります。
正解
必要なファイルをプリントアウトするか、画面を見せながらこちらで操作する形をとりましょう。
② その場ですぐに「反論」や「合意」をする
調査官の指摘に対し、その場で「認めます」と言ったり、逆に猛反論したりするのは避けましょう。
理由
税務調査の指摘事項は、法令の解釈が分かれるケースも多いです。一度認めてしまうと、後から覆すのは困難です。
正解
「税理士と協議して回答します」と伝え、ワンクッション置くことが重要です。
③ 調査官を「放置」して自分だけ不在にする
「忙しいからあとはよろしく」と税理士に丸投げし、経営者が一切顔を出さないのはNGです。
理由
調査官は「経営者の経営理念」や「事業の実態」を知りたがっています。代表者が不在だと、実態把握ができないとして調査期間が延びる原因になります。
④ 勝手に「調査を打ち切る」
「もう帰ってくれ」と無理やり追い返すことはできません(受忍義務があります)。
リスク
正当な理由なく調査を拒否・妨害した場合、罰則(懲役または罰金)の対象となる可能性があります。
なぜ「NG行動」をしてしまうのか?
多くの場合、原因は「準備不足」と「恐怖心」にあります。 税務調査は、決して「間違い探し」だけが目的ではありません。適正な申告が行われているかを確認するプロセスです。
調査の流れとポイントの整理
上記の図のように、調査には段階があります。それぞれのステップで「すべきこと」と「してはいけないこと」を整理しておくだけで、心の余裕が生まれます。
会計事務所が教える「正しい税務調査対策」
NG行動を避けるための、最も効果的な対策は以下の3点です。
日頃からの記帳を正確に行う
当たり前ですが、これが最強の防御です。
証憑(領収書・契約書)を整理しておく
「すぐに取り出せる」状態は、管理能力の高さ=不正の少なさを印象付けます。
シミュレーションを行う
事前に税理士と「何を聞かれそうか」を打ち合わせておくことで、当日の失言を防げます。
まとめ:誠実な対応が、最大の節税になる
税務調査において、最も大切なのは「誠実かつ毅然とした対応」です。 間違いがあれば素直に認め、主張すべき点は根拠(エビデンス)を持って主張する。このバランスを保つことが、結果として追徴課税を最小限に抑える近道となります。
もし今、「税務署から連絡が来てどうすればいいか分からない」と不安を感じていらっしゃるなら、一人で悩まずに、まずは当事務所へご相談ください。調査の立ち会いから事後の交渉まで、全力でバックアップいたします。
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東京税理士会(登録番号:112259)
監査法人トーマツに入社し会計監査及び株式公開支援業務に従事。その後、野村證券株式会社において資金調達やM&Aに関する財務戦略の提案業務を手掛け、また、ベアー・スターンズ証券東京支店では不動産融資及び証券化業務に携わる。
2008年に独立し、マクシブ総合会計事務所及びマクシブ・アドバイザーズ株式会社を立ち上げ代表に就任。


